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けも
バランス接続の仕組み・アンバランスとの違い・音質アップ効果を解説。また、オーディオ以外でのバランス接続の活用例も紹介しています。
スマホの普及により一時期より目立たなくなったDigital Audio Player、略してDAP。
ところが近年、各メーカーが様々な高音質化を図った結果、再び息を吹き返しました。
その高音質化技術のうちの一つが、バランス接続です。
クーバ
けも
バランス接続は
- 解像度アップ
- 立体感の向上
- 全体的な駆動力アップ
と、音質アップを図る上では避けては通れない接続方式です。
けも
というわけで本記事は「バランス接続」について書いていきます。
【4.4mm/2.5mm】バランス接続対応のおすすめDAP
バランス接続とは?
オーディオ業界で使われるバランス接続とは、ヘッドホンを駆動する方式のこと。
まずはバランス接続の仕組みについて解説します。
アンプでヘッドホンを駆動する方式
バランス接続とは、アンプでヘッドホンを駆動する方式のことを指します。
バランス駆動とも呼ばれます。
一般的な接続はシンプルなアンバランス接続。
1つのアンプから正相の音声信号が流れて、ヘッドホンを駆動します。
一方バランス接続は、左右独立したアンプから正相と逆相の音声信号が流れてヘッドホンを駆動します。
アンバランスとの違い
バランス接続とアンバランス接続における、信号が流れる仕組みの違いは以下の通り。
- グラウンドがLとRで共通
- Rの信号にLの信号が、Lの信号にRの信号がわずかに混じる(クロストーク)
- L+とL-を一対にしてLの信号を、R+とR-を一対にしてRの信号を送る
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4.4mm 5極 と 2.5mm 4極 の違いは?
オーディオでよく使われる規格である 4.4mm 5極 と 2.5mm 4極 の違いは、理論上は存在するが実感できるかは難しいでしょう。
「4.4mmの方が接地面積が広いから有利」とかいわれることもありますが、正直わからん。というか、4.4mmと2.5mmの出力を備えたDAPでもそれぞれ条件が同じなのかとか、同じシリーズのケーブルだけど厳密には違うんじゃないかと変数が多すぎるので検証が難しい問題だと思うんですよね。
eイヤホンで検証してる記事があったので一応貼っておきます ↓
参考:【星野通信 Vol.2】2.5mmバランスと4.4mmバランスの音の違いを聴き比べてみた。
バランス接続のメリット・デメリット
バランス接続のメリット・デメリットをまとめると以下の通り。
クーバ
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バランス接続の一般的な傾向を説明したものです。厳密な因果関係を示すものでは無いことを了承ください。
メリット
メリット① クロストークの減少
バランス駆動のメリットで良く挙げられるのが「クロストークの減少」です。
左右の音声信号が干渉してしまうこと
簡単に言うと「左右の音の混じりが少ない」ということ。アンバランス駆動の場合は、左右のグラウンドが一つにまとめられているという構造上、信号の干渉が起こりやすいのですが、バランス駆動の場合にはその影響がありません。
クロストークが少ないと左右の音の分離が向上し、「どこでどんな楽器が鳴っているか」わかりやすくなり、定位が良くなり立体感が増すと言われるわけです。
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メリット② 電位の安定
バランス接続の場合は、音声信号がグラウンドに流入しないため、電位が安定します。
電位が安定すると信号の揺らぎが少なくなり、音質の向上に貢献すると言われています。
けも
メリット③ スルーレート向上
アンバランス駆動では一つのアンプで駆動していたところ、バランス駆動の場合は複数のアンプで分担して駆動するため、1つのアンプあたりの負荷が少なくなります。
負荷が少ないと、Slew Rateの向上が見込めます。
アンプの動作速度を表すパラメータ。 出力電圧が規定した単位時間当りに変化できる割合を表しています。
例えば、ドラムのタイム感や残響音の表現がより正確になるのが期待できます。
また、音色や強弱の表現力など、あらゆる部分での音質向上に寄与すると言っても過言では無いでしょう。
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複数のアンプでアンバランス駆動できる製品もあります
デメリット
デメリット① 値段が高い
- 単純に電気回路が多い
- アンバランスの端子も必要
以上の理由から、バランス駆動対応のアンプやDAPは高価になりやすいです。
実際、エントリーモデルのプレーヤーには装備されていないことが多く、バランス対応機を選ぶ場合はミドル〜ハイエンドモデルから選ぶことになります。
バランス接続専用モデルが出れば多少コストダウンできるかもしれませんが、ニッチすぎて採算合わないので難しいでしょうね…。
デメリット② サイズが大きい
アンバランス接続よりも電気回路が多くなるため、物理的なサイズアップは避けられません。
とはいえプレーヤーのサイズが単純に2倍になるという訳ではなく、「iPod nanoくらいに収めるのは難しい」くらいの認識でOK。
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デメリット③ 規格が多い
バランス接続のケーブル・ジャックは、据え置き用も含めると多岐に渡ります。
しかし、ポータブルオーディオにおいては以下の2種類にまとまりつつありますので、どちらかに対応してるケーブルやアンプを選べば、問題なく楽しめます。
- 4.4mm 5極
- 2.5mm 4極
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バランス接続の音質アップ効果
バランス接続の実際について、以下のポイントに沿って解説します。
- バランス接続で実際に音質のアップがわかるのか
- バランス接続のオーディオ以外での活用例
音質が良くなるかは相性が全て
「バランス接続で音質が良くなるのか?」
結論から言うと「イヤホン・ヘッドホン+アンプの相性次第」だと思います。
後述しますが、バランス接続が活きるのは「超高速デジタル通信」と「小さな電圧を長距離伝送」するようなシーン。
理論上、優れた方式ではありますが、人間の耳で違いがわかるかは疑問が残ります。
一方「明らかに変わった」と言われることがあるのも確か。
おそらくアンプの出力などで音質変化しやすいイヤホンの場合、効果を感じられるのではないかと思います。
バランス接続の身近な例
バランス接続が効果的に使われている例は以下の3つ。
- USBケーブル
- ネットワークケーブル(100BASE-TXや1000BASE-T)
- マイクロホンケーブル
USBケーブルとネットワークケーブルは超高速デジタル通信を行うもので、バランス接続が効力を発揮します。
また、マイクロホンケーブルのような小さい電圧を長距離伝送する場合にバランスで伝送すると雑音を打ち消すことができます。
そんなわけで、イヤホン・ヘッドホンのようにわりと大きな電圧+高速ではない伝送の場合、「劇的な改善があるか?」というと難しいところですね。
バランス接続とは? のまとめ
本記事は「バランス接続」について書きました。
バランス接続について、ざっくりまとめると
- 立体感アップ
- 解像度の向上
- 表現力アップ
- 値段が高い
- サイズが大きい
- 規格が多い
- 違いがわかるかはイヤホン次第
音質アップに貢献する割合が高い接続方式といえますが、実感できるかはイヤホン次第といういつもの結論に帰結してしまいました(苦笑)。
とはいえ知ってしまった以上は試さずにはいられないのがオーディオファンだと思います(私もそうでした)。
そんな方はまず、5千円以下のケーブルと数万円のDAPで試してみるのもアリかと思います。
バランス端子搭載のDAPならハズレを引くことは少ないでしょうし。
けも
お読みいただきありがとうございました、けも(@namakemonolog9)でした。
なかなか理解し易い説明でした。
ただ、一部言わんとする事は解りますが不可解です。
「アンバランス接続でアンプが1つ、バランス接続でアンプが4つ」ってのはとんでも説明過ぎではないでしょうか?
どちらでもL/Rにアンプは1つずつで2つ有ります。バイアンプ駆動ならばL/Rに2つずつで4つになりますね。+/-を別の素子で…というのであれば、+/-はセットで使用しなければならず切り離し不可能ですから、セットで1つのアンプでしょう。
また、+/-の信号も、アンバランスとバランスのどちらも同じ信号が流れます。ただ違うのは、アンバランスでは-側のケーブルがL/R共用の1本で接続されているので、L/Rの逆相の音声信号(この表現も怪しい)が混合されて流れるということです。
更に、アンバランスだからといって必ずしも-側がグラウンドに接続されているわけではないですし、基準電位に合わせるというコンセプトがあるのであればバランスでも基準点をグラウンドに接続しているでしょうし、そもそも「-」と「グラウンド」は明確に区別しているはずです。従って、「グラウンド(-)」というのは違和感があると思うし、「-側をグラウンドが流れる」というのは意味が解りません。
最後に効果について、効果は確実にあるでしょうが、誰にでも判るか?というとなかなか難しいでしょうね。奥様が判ったというのも、吹奏楽経験者で音や音楽の聴こえ方に基準のようなもを持っておられるのではないでしょうか?
長々とコメントし、かつ、一部不快な表現があるかもしれませんが、どうかご容赦ください。どうしても気になる点があったもので…
TakAiさん
コメントありがとうございます!
ご指摘の点に関しては、とっつきやすさを重視するあまり不正確な表現をしてしまいました、申し訳有りません。
これを機に再度資料を確認し、記事を書き直そうと思います。
バランス=ステレオでアンプ4つ、で合ってますよ。
バランス対応ヘッドホンでも、アンプが2つで共通GNDと接続されているならそれはアンバランスとなります。
そもそもバランス接続は、HOTとCOLDを別のアンプで担当することにより、パワーに余裕が生まれ、SEPP回路内トランジスタ動作が対称となり、結果特性が改善される(特に低域)、というのがメリットの方式です。ちなみに勘違いしてる人が多いけど、バランス伝送のノイズ耐性とは別の話です(そもそもつなぎ方が違う)。
また、バイアンプは、1つのスピーカーに付き複数ユニットを保つ場合、ユニットごとにアンプを接続する方式で、今回の話とは全く関係ありません。
ちなみに、通常のアンバランス接続のステレオアンプがアンプ2つなのはそのとおりですね!
バランスのところで2.5mm 4極と4.4mm 4極ってありますが5極の間違えてはないですか?
ご指摘ありがとうございます!
修正いたしました。