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Bluetooth オーディオに「LE Audio」という新規格が登場しました。
LE Audio では低消費電力で高音質が特徴の LC3 をデフォルトのコーデックに採用。複数人で音楽をシェアできる機能などが使えるようになるようです。
本記事では、 LE Audio の基本的な概要や特徴、LE Audio でできるようになることなどをまとめました。LC3 コーデックについても解説しましたのでぜひ参考にしてください。
LE Audio とは
LE Audio は、Bluetoothオーディオの新しい規格です。LE は Low Energy の略とされています。
名前の通り、特徴は省電力のようですが、他の面でも改善点があるとか(後述)。
LE Audio の登場で、Bluetooth オーディオは
- LE Audio
- Classic Audio
の2種類に分けられることになります。「LE Audio か、それ以外か」って感じですね。
LE Audio を使うには、送信側と受信側の両方が LE Audio に対応している必要があります。
具体的には、Android 13 を搭載した最新の Android スマートフォンや、最新のワイヤレスイヤホンなどを用意する必要があるわけです。
動作要件はBluetooth 5.2 以降
LE Audio 自体の動作要件は Bluetooth 5.2 以降のバージョンであること。
Bluetooth 5.2 以降の機器であれば必ず LE Audio に対応しているという意味ではないので要注意。
また、Bluetooth 5.3 では以下のような LE Audio の新機能が追加されているため、推奨環境は 5.3 以上になりそうですね。
- Connection Subrating:無音時に接続確認イベントの間隔を延ばす
- Periodic Advertising(仕様変更):重複したパケットを破棄して親機の負担を減らす
参考:期待高まる「LE Audio」、Bluetooth 5.2以降が必要なのはなぜ? – PHILE WEB
LE Audio の特徴とメリット
LE Audio が搭載されたオーディオ機器が普及すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
現在分かっている LE Audio のメリットには、以下のようなものが挙げられます。
- 低遅延
- 複数人でシェアできる
- 補聴器に活用できる
それぞれ詳しく解説します。
低遅延
LE Audio の特徴の1つが、低遅延であることです。
これまでの Bluetooth オーディオ(Classic Audio)で低遅延を実現するには、ゲームモード(低遅延モード)が搭載されている機種を選んだり、低遅延な Bluetooth コーデック(aptX LLなど)に対応している必要がありました。
LE Audio はデフォルトで低遅延な接続を実現しており、おおよそ 60ms 程度の遅延に抑えられるそうです。
実際には60msec程度の遅延になるかと思います。Classic AudioのSBCだと数百msecの遅延があったので、大きく向上しているのがわかると思います。
引用元:【藤本健のDigital Audio Laboratory】次世代Bluetooth「LE Audio」で何が変わる? ソニーキーマンに聞いた-AV Watch
aptX LL の 40ms 未満には届かないものの、aptXの 70ms をデフォルトで超えているのは素晴らしいですね。
Bluetooth コーデックについてはこちらの記事で解説しています。
複数人でシェアできる
LE Audio には「ブロードキャストオーディオ」という機能により「オーディオシェアリング」が可能になりました。
ブロードキャストオーディオは、1つのオーディオソースデバイスが無制限のオーディオ機器に音声データを送信できる機能。
オーディオシェアリングによって、
- 個人的な利用
- 特定の場所での利用
両方の場でさまざまな活用が期待されています。
個人的な利用では、自分のスマホの音楽を Bluetooth 経由で周囲の人と共有することが可能になります。これまで Bluetooth オーディオは自分ひとりでしか楽しめなかったところが、複数人で楽しめるようになるということです。
特定の場所での利用では、公共の場などに設置されたデバイスの音声を自分の Bluetooth オーディオ機器で聴けるようになります。
例えば、空港やバー、ジム、会議場などに設置された無声テレビの音声を聴けるようになるといったことが考えられます。
また、映画館の音声を Bluetooth オーディオ機器で聴けるようになるかもしれません。
補聴器に活用できる
LE Audio の技術は補聴器にも活用可能です。
これまでも Bluetooth に対応した補聴器はありましたが、 LE Audio に対応することにより、低消費電力での通信が可能になります。
補聴器は基本、1日中着用するものですので、電力消費を抑えられるのはメリットといえるでしょう。
また、補聴器にはテレコイル(公共の場に設置された機器の音声を聴く機能)に対応している機種も少なくありませんでしたが、LE Audio がこの機能に置き換わる可能性もあります。
LC3 コーデックとは
LE Audio では、デフォルトの Bluetooth コーデックに LC3 が採用されています。LC3 は Classic Audio のデフォルトコーデックである SBC から大きく進化しているようです。
引用元:画像1 – Bluetoothの新オーディオコーデック「LC3」、登場したら何が変わる? – PHILE WEB
LC3 は Low Complexity Communications Codec の略(Cが3つあるのをC3と略しているのでしょう)で高品質・低消費電力が特徴です。
SBC と同等の音質を約半分のビットレートで実現できるとのこと。
消費電力と音質の設定は機器で設定可能ということで、SBC と同程度の音質に抑えれば消費電力も抑えることができ、消費電力を SBC と同等にすれば SBC よりも高音質な音声を楽しめるようです。
参考:Bluetoothの新オーディオコーデック「LC3」、登場したら何が変わる? – PHILE WEB
LE Audio の普及で Bluetooth オーディオが変わる
本記事では Bluetooth オーディオの新規格 LE Audio について解説しました。
LE Audio に対応した Bluetooth 機器が普及することで、より自由で制限の無いワイヤレス・オーディオを楽しめるようになりそうで楽しみです。