評価:4.5

iBasso AudioのDAP「DX220」をレビュー。使用感や音質を解説しています。
Android OS搭載が当たり前になってきたDAP(Digital Audio Player)業界ですが
- Amazon Music HD完全対応
- バランス出力対応
- アンプモジュール交換可能
と、据え置き機並みの高音質を実現したDAPが登場しました。
iBasso AudioのDAP(Digital Audio Player)「DX220」です。
iBasso Audio「DX220」は
- 据え置き機に匹敵するサウンドクオリティ
- Androidベースでサブスクも高音質
- 2.5mmバランス出力搭載
片手でサクサク操作できるハイエンドDAPです。

というわけで本記事は「iBasso Audio DX220のレビュー」について書いていきます。
▶︎おすすめDAPまとめはこちら
【4.4mm/2.5mm】バランス接続対応のおすすめDAP
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iBasso Audio DX220 の概要
DX220の外観と付属品を解説します。
型番 | DX220 |
OS | Android8.1 New Mango native sound OS |
DAC | ESS 9028PRO x2 |
CPU / RAM | 8コア / 4GB LPDDR |
内蔵ストレージ | 64GB |
ディスプレイ | 5.0インチ 1980×1080 Full HD(IPS) |
バッテリー | 4400mAh 3.8V |
急速充電 | QC3.0 / PD2.0 / MTK PE Plus Quick Charge |
Bluetooth | Bluetooth Ver 5.0 |
付属アンプモジュール | AMP1 MKⅡ |
出力端子 | 3.5mmヘッドフォン出力 / 2.5mmバランス出力 / 光デジタル出力(LINE兼用) / 同軸出力 / USB出力 |
サイズ | 126mm x 70.5mm x 18.7mm |
重さ | 240g |
対応ファイル形式 | MQA / APE / FLAC / WAV / WMA / AAC / ALAC / AIFF / OGG / MP3 / DFF / DSF / DXD / CUE / ISO |
DSD対応 | DSD 64/128/256/512対応(ネイティブ再生) |
MQAファイル再生 | 対応 |
ゲイン | 3段階調整(High / Mid / Low) |
対応サンプリング周波数 / 量子化ビット数 |
8kHz-384kHz(8/16/24/32bits) |
イコライザ | グラフィックイコライザ / パラメトリックイコライザ |
対応SDカード | microSDHC & microSDXC(最大2TB) |
充電池持続時間 | 約8~9時間 |
外観
DX220の外観をチェックします。
本体側面にはボリュームホイールと物理ボタンを備えます。
削り出しの感じなど、高級感があってヨダレものです。
下部には出力端子を配置。2.5mmバランスにも対応します。
出力部はアンプモジュールになっていて、交換ができます。
反対側面にはmicroSDスロットを備えます。フタが無いので出し入れ簡単。
本体上部には電源/スリープボタン、USB-Cポート、SPDIFポートを備えます。
iPhoneSEと並べてみました。厚みはありますが意外とコンパクトです。

付属品
DX220の付属品は以下の通り。
- 再生ボタンなどはケースの上から操作する
- 出力端子を残してしっかりガード
付属品
- USB Type-Cケーブル
- エージングケーブル(2.5mm)
- SPDIF変換用ケーブル
- 革ケース

iBasso Audio DX220 の使用感と音質
DX220の使用感と音質をレビューします。
使用感
DX220はAndroidOS/MangoOS搭載。タッチ対応ディスプレイでスマホ同様の直感的な操作が可能。
Amazon Musicなどのサードパーティアプリは「APKPure」からインストール可能です。
試してみたところ、Amazon Music HDもダウンコンバートされず24bit/192kHzで再生できました。
「ガチ勢向け」Amazon Music HD 対応DAP・音質をレビュー!【対応機器】
純正プレイヤーの「Mango Audio Player」も特に操作に戸惑うことなく使えました。
設定画面ではゲイン設定を含む音質調整などが可能。
ゲイン設定がLow/Mid/Highの3段階なのは良いですね。
音量を取りやすいイヤホンを使うときはLowにしてノイズ対策、大型ヘッドホンではHighと、機器に合わせて最適に調整できます。
気になったのは発熱と電池の減りで、数十分使ってるとポカポカしてきて、電池も結構食います。
再生時間は公称8-9時間なので、一日2時間使用して数日に一回充電する感じですね。
音質(Android OS)
DX220はAndroidOSと、音楽再生に特化したMango OSの切り替えが可能なのですが、まずはAndroidOSから。
音質の要であるDACにはESS 9028PROを採用。
実はコレ、20万円越えの音楽プレーヤーにも採用されているチップだったりするので、どんな音を聴かせてくれるのかワクワクです。
まずはフュージョンを、聴き慣れているXBA-300で。
「Tell Me A Bedtime Story」Quincy Jones
聴きはじめの数秒~10秒くらいは「あれ、普通?」と思いましたが、ちょっと聴くと「奥行き」「広がり」が全然違います。
楽器の距離感が手にとるように、上下左右どこから音がなっているのかハッキリわかります。
同じ方向でも、手前と少し奥の音が重ならずに立体的に聴こえる、まさに実際にそこで聴いてる感覚。
この自然な感覚が新鮮で、しばらく音楽に没頭してしまいました。
そんなわけで「公式の謳い文句はどうなのかな?」と思って調べましたら、ESS Technologyの開発幹部へのインタビュー記事に下記のコメントが。
今回のPROシリーズは特に動特性を重視して設計しており、Sシリーズと比較すると、PROシリーズは音場の奥行き感が顕著に改善されたサウンドに仕上がっています。
引用元:PHILE WEB「ESS Technologyの技術幹部に聞く、新フラグシップDAC「ES9038PRO」進化のポイント」
けも
クーバ

続いてクラシックを、iBasso Audioの「IT01S」にて。
「ベートーヴェン ピアノ協奏曲 第5番」ルービンシュタイン
音数が多く眠い音になりがちなクラシックも、自然かつクッキリと鳴らしてくれました。
分離が良いので、音量の大きくなる部分でもうるさく感じないのが良いですね。
他のイヤホンでも試しましたが、「立体感フツーかな」ってイヤホンでもDX220で鳴らすと急に広がりが出るのでビックリします。
次はJ-POPをiBasso Audioの「AM05」で。
「悲しみのJODY(She Was Crying)」山下達郎
これが一番ぶったまげましたね。
イヤホンの性能が良いのもありますが、イントロの2拍3連キメの時点で今まで聴こえなかった音が耳に飛び込んでくるんですよ。
オーディオの醍醐味って「今まで聴こえなかった音」を聴くことだと思うので、めちゃくちゃ嬉しかったですね。
もちろんイントロ後も高解像かつ立体的なサウンドは健在で、じっくり楽しめました。
まとめると、「特定の帯域を強調しない、なめらかで奥行きのあるサウンド」です。
低音をグッと押し出すようなDAPもある中、奇をてらわず真正面から高音質を追求した一台ですね。

音質(Mango OS)
続いてはMango OSで。
電源ボタン長押しの再起動時に、音楽再生に特化した独自OS「Mango OS」に切り替えられます。
どういうモードかというと、Bluetooth/Wi-Fiはオフになり、内蔵ストレージとmicroSD内の音楽再生に全振りしたモードで音質改善効果が期待できます。
実際に試したところ、Android OSの音質よりも更に奥行き感、解像感、強弱のメリハリがアップ。
サブスクを使わないなら確実にコチラの方が良い音で楽しめます。

iBasso Audio DX220 のレビューまとめ
本記事は「iBasso Audio DX220のレビュー」について書きました。
「DX220」をざっくりまとめると
- 奥行きのあるサウンド
- 4GB RAMでサクサク
- サブスクも聴ける
- バッテリー持ち
- 発熱
Androidベースで操作もしやすく、ハイエンドらしい、ごまかしのない上質サウンドが魅力のDAP。
気になったのはバッテリー持ちと発熱で、ストリーミング再生時の電池の減りと本体の温まり方はなかなかでした。
あらかじめ楽曲はダウンロードしておく、モバイルバッテリーを携帯するなどするとより快適に使えると思います。

お読みいただきありがとうございました、けも(@namakemonolog9)でした。